お風呂は癒しなのに、食事はなぜ我慢する?|『テルマエ・ロマエ』から考えるダイエット

昔からよく聞かれる質問の一つが、「なに食べたらいいんですかね?」です。

そして、私は昔から変わらず、

「好きなものを食べればいいんじゃないですか?」

とだけ答えます。

すると、ニコッと笑って、少し拍子抜けしたような表情をする方がほとんどです。

というのも、「そうですよね……」と感じつつも、心の片隅では「もっと有益な情報が欲しい」と思っているからだと思います。

「ダイエット中は何を食べればいい?」

「何回食べるのがいい?」

「食事のタイミングは?」

「タンパク質はどれくらい必要?」

「PFCバランスはどうすればいい?」

きっと、そういう具体的な答えを期待しているのだと思います。

目次

ダイエットだからといって、食事をガチガチに固めなくていい

有益な情報とは、食事の頻度や回数、タイミング、具体的な食材、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の比率)などのことでしょう。

プロならきっと、そういう内容を教えてくれるに違いない。

自分にとって最適な食事内容をカスタマイズしてくれるに違いない。

そう思うのは自然なことです。

残念ながら(?)、私はそうしたアドバイスはしません。

というより、しないようにしています。

なぜなら、

「好きなものを食べることが、その人に最適化された食生活」

というのが私の考えだからです。

先日、阿部寛さん主演の『テルマエ・ロマエ』という映画を見ました。

古代ローマ人が現代の日本にタイムスリップし、そこで出会った日本の風呂文化に感動し、古代ローマの浴場の発展に活かしていく、という映画です。

内容も面白いのですが、一番印象に残ったのが、お風呂はとても神聖であり、癒しの時間であると力強く主張していたこと。

食事もまさにこれだな、と感じました。

食事はとても神聖な時間であり、癒しであり、私たちに元気と喜び、そして笑顔を与えてくれる時間なわけです。

そんな貴重な時間を、「ガチガチな内容で固めていいのか?」と思うのです。

もちろん、病気療養中の方など、食事に特別な配慮が必要な場合は話が変わってきます。

でも、ほとんどの人にとって、食事はもっと自由で、もっと楽しんでいいものではないでしょうか。

SNSで見る「痩せる食事」をそのまま真似しなくていい

ダイエットやボディメイクの話題になると、今日から炭水化物をカットし、その代わりに鶏肉やブロッコリー、トマトを中心とした、まるでボディビルの減量期のような食生活に切り替える方が多いようです。

今だとSNSやYouTubeの影響も強いでしょう。

韓国アイドルやインフルエンサー、コンテストに出るような方々の食生活を参考にするケースも多いかと思います。

あたかも、

「それを食べなければ痩せられない」

かのように。

でも、ここで留意すべきなのは、我々はあくまで一般人であることを忘れてはならないということです。

一般人というと少々聞こえが悪いですが、つまり、アイドルでもなければ、インフルエンサーでもコンテスト出場者でもないということ。

彼女たちのようにファンのためにステージに立ち、多くの人に影響を与え、それによって生計を立てているわけでもありません。

仕事で疲れたからジムを休もう。

今日は好きなものを食べて寝よう。

「一杯だけならいいか」

そんな日があって当然です。

だからこそ、誰かのストイックな食生活を、そのまま自分の生活に持ち込む必要はありません。

「2か月だけ頑張る」より、10年続けられる食生活を

もちろん、彼女たちのようなストイックな食生活を真似れば、一時的には効果を生むかもしれません。

でも、ほぼ挫折します。

特に、期間を決めるダイエットがその典型です。

2か月だけなら頑張れたとしても、その後、リバウンドしてしまうケースは少なくありません。

さらに、コンテストに出るような人たちにはオフシーズンがあります。

でも、一般の人たちには、そうした概念はありません。

だから私は、ダイエットを考えるときほど、「2か月後にどうなっていたいか」だけを考えないでほしいと思っています。

今、あなたが考えるべきなのは、

2か月後ではなく、2年後、10年後、20年後に自分がどうなっていたいか。

ということです。

2か月でさえハードです。

そんな生活を、果たして挫折することなく何十年と続けていけるのでしょうか。

他人の食生活ではなく、自分の食生活を考える

世の中は情報に溢れています。

その中で、「プロ向けの情報」と「一般の人向けの情報」がごっちゃになってしまっているのが現状だと考えています。

そして、参考になるようで、絶対に参考にしてはいけないのが、他人の食生活です。

それは、あくまでその人にとって最適化された食生活だからです。

その人に合っているからといって、自分にも同じ方法が合うとは限りません。

運動している人へのタブーワードに、

「なにを目指してるの?」

というものがあります。

「放っておいて!」

と思われるからです(笑)。

でも、それこそ「なにを目指しているのか?」という話なのだと思います。

その人には、その人の目標があります。

そして、自分には自分の生活があります。

だからこそ、食生活も同じです。

他人の食生活をコピーするのではなく、自分の生活に合う食生活を見つけていく。

それが、長く続くダイエットや健康づくりには大切なのではないでしょうか。

「好きなものを食べる」は、何でも好き放題という意味ではない

ここまで読んで、

「じゃあ、好きなものを好きなだけ食べればいいんですか?」

と思うかもしれません。

もちろん、そういう意味ではありません。

私が言いたいのは、食事を「我慢するもの」にしすぎないことです。

ダイエットを始めた途端、

「これは食べちゃダメ」

「これは太る」

「夜は食べない」

「炭水化物は禁止」

と、自分で自分を縛り始める。

そうすると、最初は頑張れても、どこかで苦しくなります。

そして、我慢していたものを一気に食べてしまう。

だったら最初から、自分が無理なく続けられる食生活を少しずつつくっていけばいい。

好きなものを楽しみながら、身体のことも考える。

外食する日があってもいい。

甘いものを食べる日があってもいい。

忙しくて簡単な食事になる日があってもいい。

大切なのは、一食、一日を完璧にすることではなく、何年先も続けられる食生活をつくることです。

あなたに合う食生活は、あなた自身が一番よく知っている

他人の食生活がどうこうではなく、これは自分の問題です。

自分の食生活を、いかに自分に最適化していくか。

その答えを握っているのは、プロでも、SNSのインフルエンサーでも、誰かの成功体験でもありません。

やはり、自分自身なのだと思います。

何を食べればいいのか迷ったときは、まず「痩せるために何を食べるか」ではなく、

「私はこれから先、どんな食生活を続けていきたいのか?」

と考えてみてください。

2か月だけではなく、2年、10年、20年。

その先も無理なく続けられる食生活なら、それはきっと、あなたにとっての「最適解」に近づいているはずです。

「好きなものを食べることが、その人に最適化された食生活」

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