Mindset|笑顔になる時、笑顔が消える時。

ダイエットにおいて一番のタブーは「食事制限」だと考えています。

突拍子もないことを言うようですが、理由は至って単純。楽しくないからです。

「ダイエットに楽しさを求めてる場合ではない」「今まで好きなものを食べてきたんだから我慢するのは仕方ない」という悪魔の声が聞こえてきそうですが、そうした、いわゆる”普遍的な考え”には必ずしも従う必要はありません。

そもそも楽しくなければ続かないのが人間の性です。ことダイエットに関しては「食事(食欲)」という、生活の基盤であり、欲求に根差した行為が関わってきます。従って、食事が楽しくないとダイエットが続かないどころか、生活全体の質が下がってしまいます。

ただし、例外もあります。今までの食生活から卒業し、より健康的な食生活を”心から”楽しむことができるように変化した場合です。もう今までの食生活は辞めよう、なんて酷い食生活をしていたんだろう、こっちのほうが食べていて幸せだ…

というのが理想ですが、現実的にはそうはいきません。次第に元の食生活に戻っていくのが人間というものです。好きなものは好きですから。さらに仕事がうまくいかなかったり、人間関係でストレスが溜まっていたり、生理周期でツラい時にはダイエットスイッチはOFFになりますし、「なんでこんなことしてるんだろう」と自分にイライラしてしまうこともあります。

あるいは短期決戦でパーソナルジムに通い、肉体を限界まで追い込まれ、プロテインを勧められ、毎回の食事を写真に撮って提出する、というケースがあります。元々、僕はフィットネス業界に長くいましたので、この辺の事情には詳しいのですが、個人的にはこの方法も勧めていません。

よほど運動が好きになり、どハマりすればいいのですが、現実的にはそうはいかない人のほうが多いからです。あくまで短期決戦が前提なので「その時」は頑張るけれど、2年後、3年後も同じ生活しているとは限りません。先ほどもお伝えしたように、次第に元の生活に戻っていくのが人間というものだからです。なので、当然、体型も元通りになります。

僕の考えは対極にあります。ダイエットというのは本来もっと楽しくあるべきものだと思うからです。美味しくごはんを食べることができ、気持ちよく運動ができる。体調がどんどん良くなって、気持ちも前向きになり、毎日の生活に潤いが与えられる。それがダイエットです。

逆に、スーパーに行くと「なにを食べたら良いんだろう」「これ食べたいな」「でもダイエット中だし我慢しよう」というネガティブな気持ちになったり、今までは美味しく食べていたものさえ見たくもないと感じてしまったことってありませんでしょうか。それはダイエットではなく「修行(苦行)」です。ツラくてツラくてしょうがない。

どちらの場合も、きちんと体重は減るのがポイントです。けれど、後者は「笑顔が消える」のです。好きなものを取り上げられたような気がしてしまうからです。逆に、前者は気持ちが前向きなのでダイエットが楽しいですし、成長する自分に喜びすら感じます。笑顔になるのです。

ほとんどの方は「どんな運動をしたら痩せるか?」「なにを食べたら痩せるか?」ということを考えますね。色々調べたり、具体的な方策を練ることは大切ですが、それらはあくまで「枝葉」に過ぎません。痩せる人というのはどんな運動をしても痩せますし、なにを食べても痩せるからです。皮肉的ですが、実際にはそうなのです。

無論、これは体質や遺伝子について言及しているわけではありません。ダイエットに対する「マインドセット(考え方)」が異なるからです。先ほどから何度もお伝えしているように、ダイエットというのは本来楽しくあるべきものなのです。なにかを制限されたり、強制されたり、決まった時間に何かをしなければならないというものではありません。「明日からダイエットだ…」と考えると大半の人はネガティヴな感情になります。そうであってはならないのです。

なので、まずは「ダイエットをどう捉えるか」というマインドセット(考え方)を見直す必要があります。運動や食事について考えることは必要ですが、あくまでそれは枝葉の部分。世の中の固定観念にあまり囚われないこと、そして、どうすれば自分を追い詰めることなく楽しくダイエットができるかを考えることが大事です。

なにをするかではなく、どう向き合うか

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