スリムな体型をつくりたいけれど、なにをしたらいいのかわからない。どんな運動をしたらいいのかわからない。
そんな悩みはあるかと思います。そこで「このくらいはやっておきたいよね」という内容をまとめてみました。年齢や体力、運動経験によって変わりますので、あくまで目安として考えてください。
【毎日】歩くこと 5,000 ~ 10,000歩
【毎日】ストレッチ(10 ~ 30分)
【週1 ~ 2回】ランニング(5 ~ 10km前後)
【月2 ~ 4回】ピラティス
まず、すべての基本になるのが「歩くこと」です。
歩きに始まり、歩きに終わる、と言っても良いくらい歩くことは基本になります。現代人はとにかく歩きません。なるべく駅から近い物件を探しますし、階段ではなくエスカレーターに直行します。在宅ワークが増えましたし、買い物や夕飯もインターネットで注文することも増えました。もはやそれが当たり前の時代になってしまったので、違和感を感じることもなくなっています。なので、これからの時代は意識して歩かなければ、気付かないうちに体力は低下し、体脂肪が蓄積しやすい時代になってきているのです。
健康や美容に関心がなければ、普通に生きているだけで太っていく。
そういう意識を持っておくことは必要かもしれません。以前は、都市部に住む人は通勤や買い物で歩くから大丈夫、のように言われていましたが時代は変わりました。先ほども述べたように、在宅ワークやフードデリバリーなどの機会が増えたことにより、そこまで歩かなくてもいい時代になりました。なので、都市部に住んでいるからといって、必ずしも歩数が多いことには結びつきません。
もちろん「車がないと生活できない」という地域に住んでいる方は、さらに歩く機会が少ないのは事実でしょう。仕事や買い物、友達と遊ぶ時など、ほとんどのシーンで車を利用するかと思いますので、都市部に住んでいる人よりも歩数は少なくなります。統計的にも、都市部に住む人よりも、地方に住む人の方が平均BMIが高いのは事実です。
歩くことは人間の生活の基本なので、運動としての”ウォーキング”ではなく、あえて「歩く」という表現にしました。最低限、毎日5,000 ~ 10,000歩は歩くようにしたいところです。主な移動手段が自転車の場合は、この中に含んでも良いかと思います。ただし、あまりに自転車に頼りすぎると、歩くために必要な筋肉や骨に刺激が入りませんので、健康面での懸念があります。なので、そういう方も最低5,000歩程度は歩いておきたいですね。
具体的な数値目標をつくっても構いませんが、まずは何歩でいいので、歩く機会を増やしましょう。「自分の体で動く習慣」を身につけることが大事です。
お次が「ストレッチ」です。
毎日必ずやりましょう。世の中、体の硬い人はたくさんいますが、胸を張って「私、柔らかいです!」と言える人はなかなかいません。
では、なぜ体が柔らかいほうがいいのでしょうか。答えは一つではありませんが、あえて言うのであれば、「動きが鈍臭くなる」からです。体を動かせる範囲が狭いので、動きが鈍い、バネが無い、モッサリしている、という感じです。そうすると、機敏な動きができなくなり、動くことが億劫になってきます。動くことが億劫になると、当然ですが太りやすくなります。猫を想像していただくと分かりやすいのですが、体がしなやかに動くので、素早く動くことができます。
同じ猫でも猫背の人は違いますね。体が縮んでいる状態です。なので、ストレッチをすることで、綺麗な姿勢をつくることができます。また、動きに余裕ができますので、一つ一つの動きが上品に見えます。ヨガやピラティス、バレエの経験者を見ればそれは一目瞭然かと思います。
ポイントとしては、全身まんべんなくストレッチすることです。よくあるのが“得意なところばかりを伸ばそうとするケース”です。例えば、もう股関節は柔らかいのに、そこばかりをストレッチするケースです。よく伸びて気持ち良いからでしょう。逆に、硬い部分は痛みを感じるので、つい避けがちになります。
なので、優先順位を意識してください。まずは硬いと自覚がある部分を優先して伸ばし、余った時間で得意な部分を伸ばすようにしましょう。
「何分くらいやればいいですか?」と聞かれることが多いのですが、1日10分くらいはやりましょう。欲を言えば、30分くらいはやりたいところです。というのも、一部位10分ほどかかるからです。太ももだけで10分ということです。ただ、それだと挫折しやすいので、10分くらいから始めてみることをおすすめします。
継続するコツとしていは、YouTubeやテレビ、読書、ゲームをしながらやることです。ストレッチは静止している時間が長いので、どうしても退屈になりがちです。それが原因で「さっさと終わらせてしまおう」という気持ちが出てきます。なので、他のことをしながらのほうが結果的に丁寧なストレッチができます。ご自身が続けやすい方法を見つけてみてください。
そして「ランニング」です。
歩く習慣が身についてきたらトライしてみましょう。歩くことが日常生活の基本だとすれば、ランニングは「運動」です。
メリットを挙げればキリがありませんが、一番の理由は体脂肪を燃焼できる手っ取り早い手段だからです。歩くことやストレッチ、ピラティスは体脂肪を燃やすためというよりも「健康維持」としての意味合いが強くなります。
しかし、ランニングは体脂肪をガンガン使いますので、手っ取り早く、そして健康的にスリムになれる手段だと言えます。自動車で例えるなら、体脂肪はガソリンのようなものですから、走れば走るだけガソリンを消費していきます。もちろん、ウォーキングでも結構です。ただ、それだけだといまいち効果を実感しにくいので、ある程度運動習慣がついてきたら、ランニングを取り入れてみることをおすすめします。
また、ランニングは心肺機能も強化されますので、駅の階段を登ったくらいでは疲れなくなります。育児をしているお母さんにもおすすめですね。動くことが苦にならなくなるので(ここ重要です)、それが体を積極的に動かす機会となり、スリムな体型へと繋がっていくことになります。
明確なルールはありませんが、3 ~ 5kmくらいのランニングを週に1 〜 2回できれば充分かと思います。慣れてきたら、たまに10kmくらいの長い距離を入れてみても良いかもしれません。「10kmも無理!」なんて思いますが、何事も積み重ねです。最初は1kmくらいしか走れなかったという方も、数ヶ月もすれば楽に10km走れるようになるのが面白いところです。
とは言っても、未経験の方が多いかと思いますので、短い距離から始めましょう。ただでさえ敬遠されがちなランニングですから、無理をすればランニングアレルギーを助長するだけです。終わったら『スッキリした!』くらいが理想です。
一番最初に書くべきでしたが、最後に「ピラティス」です。
ピラティスで身体を整えましょう。綺麗な姿勢を取り戻しましょう。そして、動きやすい体を作りましょう。なぜこんなにも女性の間でピラティスが流行っているのか?その理由はやはり「美しいから」ではないでしょうか。なにを持って美しいとするかは個々によって異なりますが、しなやかで、自然体で、気持ちよさそうに動いている、そんなところに魅力を感じるのではないでしょうか。
繊細な動きが多いので、はじめは難しいと感じるかもしれませんが、その繊細さがピラティスの醍醐味の一つです。普段歩いているとき、足の向きを意識することはないですよね。スマホを触っているとき、どのくらい頭が前に出ているか考えることはないですよね。そう、私たちは無意識のうちに体に負担をかけています。でも、そのときには気付きもしませんよね。「頭痛がする」「腰が痛い」「腕があがらない」。病院に行く頃になってようやく気付くわけです。
体を使う機会が少なくなるということは、それだけ自分の体から意識が遠ざかるということです。その感覚を取り戻すのがピラティスです。ピラティスは元々「コントロロジー(自分の体をコントロールする学問)」と呼ばれていました。筋肉を強くすることでもない、体脂肪を燃やすことでもない。まずは、自分の思い通りに体を動かせるようになること、それが狙いです。その過程において、綺麗な姿勢が蘇り、女性らしい筋肉や動きが自然と備わってくるのです。
まずは、できることからはじめてみる。
これが大切なスタンスです。できない理由を探すのではなく、できる方法を探しましょう。
本当は食生活についても触れたいところですが、優先順位は『動くことが苦じゃない体』になることです。運動するくらいなら食事を見直したほうがラク!と考えたくなりますよね。私がお伝えしたいことは「AはキツイからBにしよう」という考え方をするのではなく、運動習慣を身につけて、もっと自分の体と向き合いましょう、と言うことです。
最後になりますが、私から「やりましょう」「やってください」とは言わないようにしています。運動というのは、体育の授業や部活動とは違いますので、本来は誰からも強制されるべきものではないからです。そうやって、運動嫌いになった人がどれだけいるでしょうか。やっとそこから解放されたのに、また大人になっても同じことを強制されたのでは、一生運動は嫌いなままです。
また、仮にサボったとしても先生やチームメイトから責められることはありません。体力が落ちても、成績が悪くても、体調を崩しても、太ってしまっても、最終的には自分でなんとかするしかないのです。なので、僕からは背中をそっと押してあげることはあっても、強制するようなことは絶対にしません。強制することで短期的には結果は出せるかもしれませんが、それは僕が大切にしているコンセプトとは異なります。
気負わず、運動を楽しんでくださいね。
まずはできることからはじめてみる。

