Priority|時間を待つ人でなく、作る人になる

とある人気歌手がラジオでこう仰っていました。

司会:〇〇さん、とてもお忙しいと思うんですが、よく綺麗な体型を維持されていますよね。

歌手:走ったりはしていますね。

司会:運動するお時間はあるんですか?

歌手:作るんです。余った時間でやるのではなく、この日は運動する日。って決めるんです。

そうだよな、というのが僕の率直な感想です。

多くの人にとって、運動の優先順位は『最下位』になっているはずです。なぜなら運動しているだけで、えらい!と思われる世の中だからです。それだけ運動とは疎遠の生活を送っている人が多いのが現状です。

「やらなきゃなぁ…」と心のどこかで思いつつも、結局はしないのが人間というものです。いざ重い腰を上げ、運動をはじめたとしても、優先順位が生活の一番下のほうにあるため、仕事や家のことで忙しかったりすると「明日やろう」となり、明日になると「明日こそやろう」となり、そのまま離れてしまうのです。

ここから言えることは、運動は『余った時間』でやろうとすると絶対にやらないということです。余った時間でやる = 優先順位の下のほうにあるので、一番後回しになるのです。

さらに、運動はあえて身体を動かすわけですから、それなりの気力や体力が必要です。やることがすべて終わり、疲れ切った状態で、運動しよう!なんて思っても正直難しいんです。もしそれをきちんと続けられる人は、もともと運動が好きだったり、運動に対してポジティブなイメージを持っていたり、期限付きの目標(大会や結婚式など)がある人がほとんどでしょう。

『忙しくてできなかった』というのがオチです。

そして、やがて時間に余裕ができたとしても、やらないんです。なぜなら、その余った時間を「他の楽しみにしていたこと」に使うからです。

さらに掘り下げて行くと、時間ができたらやろう!と思っていたのに、いざ時間ができたらやらない本当の理由は『元々やりたくなかった』からです。その後ろ盾として次々と言い訳が出てきてしまうのです。

結局は、どのくらい本気で目標を叶えたいと思っているかです。僕自身は『ヨダレが出るほど本気でそう思っているか』というのを基準にしているわけですが、もし本当にそう思っているなら何事にも優先して運動をするんですね。

例えば、この日は運動すると決めていたところに、突然、仲の良い友人から食事の誘いがあったとします。どうするでしょうか。

僕なら、断りはしないかと思いますが、会う時間を調整します。もちろん状況にもよるでしょうが、まずは先に決めていた『自分との約束(= 運動)』を優先します。もしそこで、明日やればいいか、と思ってしまうくらいなら、初めからそれだけのモチベーションだったということです。

これが優先順位というものです。

肉体的に考えれば、運動の予定を1日をずらしたところでそんなに大きな影響はありませんが、それよりも『自分との約束を破った』ということの罪悪感が大きいわけです。一度約束を破ると、その癖が付いてしまい、また次も破るからです。結局はそういう意識を持っているかどうかだと思います。

どうしても忙しくて、すべての家事や仕事が終わったのが夜中の1時だとします。常識から考えれば、次の日のために早く寝るでしょう。でも自分の中では「今日は絶対運動するって決めてたんだ」という意思があれば20分でもいいから運動するはずです。10分でもいいです。(僕なら10km走りに行きます)

本来この場合、運動よりも睡眠のほうが大切なので、早くお風呂に入って寝たほうがいいに決まってるのです。けど、論点はそこではありません。睡眠を削ってまで変わりたいという意思があるかどうかです。

人は自分に都合の悪いことが起こると、必ず言い訳をする生き物です。自分は悪くない、こうなってしまったのは仕方ないことだ、と心の中で正当化します。

けれど、そういう癖が一度ついてしまうと、また自分が不利な立場に置かれた時に言い訳が出てきてしまうのです。忙しかった、寒かったなど、暑かった、体調がいまいちだったなど、何かしらの言い訳が必ず出てきます。必ずです。

変われる人と変われない人の差というのは遺伝や体質なんかではなく、結局はそうした『自分との約束を守ること』や、自分の生活をきちんとコントロールすること、できない言い訳よりもできる方法を探すこと、物事の優先順位を決めること、など自分の意思と考え方次第でなんとかできる部分が大きいと感じています。

時間を待つ人ではなく、時間を作る人になる。

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