体づくりに関して、「いつまでにこうする」という期限は、あまり決めていません。
というのも、体づくりというのは、長期投資のようなものだと考えているからです。
毎日少しずつ積み重ねながら、時間をかけて、自分の体を育てていく。
短期間で大きな結果を求めるのではなく、ペースはゆっくりでも、無理なく続けられる方法で積み重ねていく。
私は、それが体づくりの基本だと思っています。
ピラティスで体を整えていくことも、筋肉をつけることも、ダイエットや体型維持に取り組むことも、考え方は同じです。
体は、すぐには変わらない
私たちの体は、昨日今日の生活だけでつくられているわけではありません。
食事や運動、睡眠、日々の過ごし方。
そうしたものが少しずつ積み重なって、今の体があります。
だからこそ、体を変えていくのにも時間がかかります。
例えば、1年かけて体重が増えたのであれば、元に戻していくのにも、それなりの時間が必要です。
これは体の仕組みというより、物事の道理なのだと思います。
長い時間をかけて積み重なったものを、数ヶ月ですべて変えようとする必要はありません。
時間をかけてつくった体は、時間をかけて変えていけばいい。
焦って結果を求めるよりも、今日できることを一つずつ積み重ねていく。
そのほうが、無理なく続けられるし、結果的に長く付き合える体がつくられていきます。
「最近太った」の前から、変化は始まっている
体の変化は、ある日突然やってくるわけではありません。
筋肉は20代前半をピークに少しずつ減っていきますし、体脂肪も少しずつ増えていきます。
でも、毎日自分の体を見ていると、その小さな変化にはなかなか気づけません。
「最近ちょっと太ったかな」と感じたときには、実はその前から少しずつ変化していた、ということもあります。
だからといって、手遅れというわけではありません。
気づいたときが、体と向き合うちょうどいいタイミングです。
そこから少しずつ生活を変えていけばいいのです。
特別な体を持っているわけではない
これは、私自身も同じです。
私はもともと虚弱体質で、体を強くしたいという思いから運動を始めました。
そして、ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティスも、もともと特別に恵まれた体の持ち主だったわけではありません。
幼少期からくる病気や喘息、リウマチなどに悩まされ、それらを克服するために運動を始めたといわれています。
つまり、ピラティスというもの自体が、「もともと完璧な体を持っている人のためのもの」ではないのです。
人それぞれスタートラインは違います。
体力がある人もいれば、運動が苦手な人もいる。
長年運動をしてきた人もいれば、ほとんど体を動かしてこなかった人もいる。
だからこそ、誰かと比べる必要もありません。
今の自分の体をスタートラインにして、少しずつ積み重ねていけばいい。
体づくりは、そういうものだと思っています。
「早くどうにかしたい」と思ったときこそ

ダイエットを始めると、
「できるだけ早く痩せたい」
「○ヶ月で○kg落としたい」
と思うことがあります。
もちろん、目標を持つことは悪いことではありません。
ただ、あまりにも短い期間に結果を求めてしまうと、少し体重が増えただけで落ち込んだり、食べてしまった自分を責めたりすることがあります。
夜にドーナツやアイスを食べて、
「やってしまった……」
「また食べちゃった……」
「私って意思が弱いな……」
なんて思った経験がある人もいるのではないでしょうか。
でも、本当にそんなに自分を責める必要があるのでしょうか。
体づくりを長い目で考えてみると、たった一度の食事で、それまでの努力がなくなるわけではありません。
美味しいものを食べる日があってもいい。
少し運動を休む日があってもいい。
また次の日から戻ればいいのです。
体というのは上下動を繰り返しながらも、たしかに成長していくものなのです。
好きなものを「やめる」のではなく、付き合い方を考える
「体づくりは一生続けていくもの」と考えていると、少しずつ考え方も変わってきます。
好きなものを我慢して生活から排除するのではなく、好きなものとの付き合い方を考えるようになります。
ケーキも食べる。
アイスも食べる。
外食だって楽しむ。
そのうえで、普段の食事を整えたり、体を動かしたりする。
そうやってバランスを取っていけばいい。
これなら、ダイエットが終わった瞬間に元の生活へ戻ってしまうこともありません。
「ダイエットをする」というより、「自分の体を大切にする生活を続ける」。
そのくらいの感覚でいいのだと思います。
体づくりは、期間限定ではない
私が以前パーソナルトレーナーとして活動していた頃も、「○ヶ月コース」というプランは設けていませんでした。
○ヶ月間頑張ったとして、
「その先はどうするの?」
という疑問があったからです。
運動をやめれば、少しずつ体も元に戻っていきます。
だからこそ、短期間だけ頑張るのではなく、その先も無理なく続けられる方法を見つけることが大切なのだと思います。
もちろん、半年後に結婚式がある、来月健康診断がある、といった明確な目標がある場合は別です。
その日に向けて頑張ることには、ちゃんと意味があります。
ただ、その日が終わったあとも、自分の体との付き合いは続いていきます。
だから私は、「その日までの体」ではなく、「その先も付き合っていく体」をつくってほしいと思っています。
長く続けることは、頑張り続けることではない
「それじゃ、運動ってずっと続けないといけないんですか?」
と聞かれることがあります。
たしかに、健康や体型を維持していきたいのであれば、運動は長く続けていくほうがいいでしょう。
でも、ずっと頑張り続ける必要はありません。
忙しい時期があってもいい。
少し休む時期があってもいい。
運動する時間が少ない日があってもいい。
大切なのは、完璧に続けることではなく、また戻ってこられることです。
ピラティスでも、ウォーキングでも、筋トレでもいい。
そのときの自分にできることを、無理のない範囲で続けていけばいいのです。
美は、長期投資

体づくりを始めると、どうしても目の前の体重や見た目が気になります。
でも、本当はもっと長い目で見ていい。
今日少し運動したこと。
いつもより姿勢を意識したこと。
よく眠ったこと。
体にいいものを食べたこと。
そうした小さな積み重ねが、5年後、10年後の自分をつくっていきます。
成長の曲線は、いつも右肩上がりとは限りません。
運動できない時期もあるし、食べすぎることもある。
体重が増えることだってあります。
それでも、また少しずつ戻っていけばいい。
近道を探すより、長く続けられる道を選ぶ。
私は、それが体づくりにとって一番大切なことだと思っています。
美は長期投資。
焦らず、無理せず、自分の体と長く付き合っていきましょう。

