Growing|ピラティスをはじめてから身長が3cm伸びた話。

ピラティスを始めてから背が伸びた、という話はよく聞きます、、、が、まさか自分にも同じことが起こるとは思ってもみませんでした。

169cmだった身長が172cmまで伸びました。なので、3cm伸びたことになります。「あと1cmあれば…」というコンプレックスがありましたので、これは自分の中では大きな喜びです。

169cmであることを伝えると「え、見えないです!」「175cmくらいに見えます」と言われることが多いのですが、僕はいつも「綺麗な姿勢を意識すると実際の身長よりも高く見えるんですよ」とお伝えしていました。実際に猫背の人は背が低く見えますから、この考え方は間違っていません。

ですが、久々に自分の身長を測ってみたら、見た目だけではなく、数値としての身長が伸びていたのです。ではなぜ身長が伸びたのか。ここからは僕なりの考察です。

まず背骨というのは「24個の骨(椎骨)」が積み重なってできています。そして、24個の骨同士の間には「椎間板」というクッションのようなものがあります。これは衝撃を和らげる役割があるのですが、年齢や重力、不良姿勢などによって少しずつ縮んでいきます。長年使っているクッションが縮むのと同じようなイメージです。

しかし、ピラティスで背骨をしなやかに動かしていると、縮んだ椎間板が圧力から解放され、元に戻っていきます。背骨は24個ありますから、その間にある椎間板は23個あります。もし椎間板が1mmずつ回復すれば、身長は23mm(2.3cm)伸びることになります。

もう一つの考え方は、椎骨と椎間板の隙間が広がるという考え方。先ほどの考え方は、椎間板が圧力から解放され、その結果として椎間板そのものの形が変わるという考え方でした。こちらは、背骨と椎間板の隙間が広がるという考え方です。仮に椎間板の両サイドに0.5mmの隙間が生まれるとすれば、先ほどと同じように23mm(2.3cm)身長が伸びることになります(背骨と椎間板は密着していますので、隙間が”空く”というよりは「広がる」という表現のほうが適切だと感じました)

1mmという数値はあくまで仮説ですが、僕の身長が3cm伸びたことを考えると、そのくらいの変化がある可能性が高いのです。

ではなぜ、このように背骨に変化が生まれるのか。それはやはりピラティス特有の動きがあるからです。

例えば、ピラティスの基本動作に「Articulation(アーティキュレーション・分節運動)」があります。これは「背骨を一つ一つ動かす」という動きのことです。スタジオでもお馴染みの動きなので、ピン!と来たかもしれません。立ったままおこなうRoll Down(背骨を一つずつ丸めていきましょう)、仰向けでおこなうPelvic Curl(背骨をマットから一つずつ剥がしていきましょう)などがそうです。

もう一つ、Elongation(エロンゲーション・伸長)という考え方もあります。「伸びを感じましょう」「背骨を長く保って」「つむじが天井に引っ張られるように」という表現がありますが、それのことですね。

ピラティスはこのように背骨にフォーカスを当てた動きがベースとなっています。脛骨や大腿骨、骨盤、頭蓋骨など全身には様々な骨がありますが、成長期を越してからそれらの骨が成長することは考えにくいです。運動を通して強度が増すことはあっても(骨粗鬆症の予防など)、縦軸方向に伸びることはどうしても考えにくい。背骨にしても、24個の椎骨そのものが成長することも恐らくありません。すると、消去法で考えた時に、今回の理論が成り立ちます。医学的根拠はありませんが、ここ数年でピラティス以外の運動を新たに始めていないことを考えると、ピラティスによって身長が伸びたことを裏付ける証拠となるかと思います。

余談ですが、身長が伸びるとスタイルが良く見えるようになります。体積や体重は同じでも縦横比が変わることで細く見えるようになります。試しに鏡の前で猫背になった自分と、背筋を伸ばした自分を見比べてみてください。洋服を着ている場合、ウエスト周りのシワも伸びることでさらに細く見えるはずです。

僕はよく「身長は伸ばすことは難しいですけど、体型は努力次第でどうにでも変えることができますから頑張りましょう」とお伝えしていますが、身長もある程度は伸ばせるということになりますね。さらにここが大切な点ですが、僕は普段から良い姿勢を心がけているにも関わらず、今回のような変化があったということ。もし普段から猫背や反り腰が気になっている方の場合、さらに身長が伸びる可能性があるということです。

つくづく「人間にはまだまだ伸び代が隠されているな」と感じさせられます。もちろん、身長が伸びるという確実な保証はありませんが、ピラティスを続けている僕や周りの人の声を聞く限り、皆様もその可能性を十分に秘めているということです。

成長期、真っ只中

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