WBC日本優勝おめでとうございます。
決勝戦、同じチームメイトである大谷選手とトラウト選手の真剣勝負は目頭が熱くなるほど美しかったですね。あれほど感動するシーンもなかなかありません。

14年前のWBC、準決勝アメリカ戦。L.Aに留学中だったので友人と応援に行きました。


あの頃、20代前半だったダルビッシュ選手が、今回のWBCで最年長としてチームを引っ張ったことはとても感慨深いものがあります。
勝負の本質は、選手同士がお互いの精神的および肉体的なレベルを高め合うことだと考えています。
相手を打ちまかそうとか、足を引っ張ろうとか、それは勝負というより”喧嘩”や”争い”という言葉のほうが意味合いとしては強くなります。選手一人一人がお互いに敬意を払い、全員がそれぞれの目標を達成できることを応援することが、勝負の本質だと考えています。
勝負は如何なる時も美しくあるべき、というのが僕の美学です。

あまり興味がない方も多いと思いますが、僕が好きなスポーツの一つが自転車の「ロードレース」です。特に、毎年7月に開催されるツール・ド・フランスという、3週間かけてフランス全土を舞台に繰り広げられる世界的なレースがあります。
選手の中にはフランス出身の方もいるので、地元を通過することもあります。箱根駅伝で例えるなら、平塚市出身の選手が平塚市を通過するような感じです。
とある数名の選手が先頭を走っていた時のこと、「ここは君の地元なんだから、先頭走りなよ」と譲るシーンがありました。当然、彼は地元の人にとってはヒーローなので、トップで走っている姿を見た沿道の人たちにとってはこんなに嬉しいことはありません。
先頭で走るほど風の抵抗を受けやすいので、先頭選手は交代で走るのが暗黙のルールなのですが、相手選手への敬意がとても美しいな、と感じました。コンマ数秒を争うレースで、相手選手に有利になるように気遣うスポーツってなかなかありません。
スポーツ観戦は、つい結果だけに目が行きがちですが、僕は、その裏にあるストーリーやそこから何かを学ぶことが好きだったりします。