街中を歩いていると、色んな歩き方をしている人がいます。左右にフラフラしながら歩く人、腕をぶんぶん振りながら歩く人、脚をガニ股にしながら歩く人、実に色んな歩き方の人がいます。
一方で、綺麗に歩いている人も、たまではありますが見かけます。
では、綺麗に歩くというのはどういうことでしょうか。その説明は一言ではできませんが、共通していることがあります。
それは『軸が安定していること』です。
綺麗に歩いている人を想像してみてください。背筋がピンと伸びて、颯爽と歩いているイメージがありますよね。あるいは、とてもリラックスしていて、余裕があるようなイメージです。
これらに共通しているのが、軸が安定していることです。
他の例えで言うならば、バランスボールの上に乗ってみて、フラフラする人とそうでない人の差みたいなものです。得意な人は非常にリラックスしていて、その上で熱々のスープを飲めるくらい安定することができます。逆に、不得意な人は、腕をバタバタさせて必死にバランスを取ろうとしますね。
つまり軸が安定するということは、フラフラしなくなるということ。手足はリラックスしていて、余裕があるように見えるのです。それが美しさに直結しているわけです。
では、どうすれば軸を作ることができるのか。
答えはシンプル、ピラティスをしましょう。人間本来の筋力や姿勢、可動域を取り戻し、動きやすい体をつくることがピラティスの主旨です。
ピラティスでは「ニュートラル」という言葉がよく出てきます。骨盤と背骨が理想的なポジションになっている状態のことです。ニュートラルの姿勢を意識することが、軸を作る上で最も大切です。そこが本来は最も安定するポジションだからです。
ただ、それが難しいのが現実です。というのも猫背や反り腰の方が多いから。ピラティスをはじめてニュートラルを意識しましょう!と言っても、そもそも体がガチガチに固まってしまっているので、無理にニュートラルのポジションを作ろうとしても不自然な形になってしまう。言ってみるなら、力づくで無理矢理そのポジションを取ろうとしているようなものです。
そういう理由で、私のところでは「プレピラティス(Pre-Pilates)」と称して、ピラティスを始める前に、ニュートラルを意識しやすいようにストレッチポールを中心としたエクササイズを取り入れています。ただなんとなく寝転がっているイメージがありますが、あれ結構大切なんですね。
話を戻しますと、軸を作るうえで最も大切なのがニュートラルの姿勢を取り戻すことなのです。猫背や反り腰の場合、本人なりにはその姿勢で安定はしているかもしれませんが、体にとっては負担です。さらに、余計な力を使って安定させているわけで、それは自然な姿とは言えません。
ニュートラルを意識するということは『基準点をつくる』ということです。地図で言えば、東西南北の中心に自分のピンを指すということ。そこが現在地であり、基準となります。
もし自分の中に基準点がない場合はどうなるでしょう。それは自分の現在地が分からないということです。いざ地図を広げてみても、自分が今どこにいるのか分からない。目的地は分かるのだけれど、そもそも自分が今どこにいるのか分からないから、そこまでの道のりが分からないということです。
目的によってはニュートラルが絶対的な正解とは言えない場合もありますが、基本はニュートラルです。そこから目的に応じて、色々変化させていくわけです。
ニュートラルの感覚が掴めてくると、自然と軸が出来上がってきます。よく「インナーマッスル、インナーマッスル」と言われますが、インナーマッスルを強化する目的の一つは、体幹を安定させて軸をつくることです。そこが使えるようになると、驚くほど体は安定するようになります。
特に腹部に集中していますので、腰痛予防やポッコリお腹を引き締めるのには効果覿面です。逆にすぐにお腹がボテっとしやすい人は、腹部のインナーマッスルが弱い傾向があるので注意が必要です。
軸が安定すると、歩き方は綺麗になりますし、疲れにくくなります。さまざまなスポーツを取り組む際にも上達が早くなります。そのためにはまずニュートラルを意識することが大切になります。
自分の中の基準点を見つけ、体に革命を起こしましょう。

