Under Control|ダイエットをイージーモードにする

ダイエットに必要なのは、身の回りのストレスをできるかぎり「事前に」排除することだと考えています。

“事前に”というのは、これだけストレスが多い現代ですから、従来のように「ストレス解消」では間に合わないと考えているからです。ストレスが溜まってから解消するのではなく、できるだけストレスが溜まらないように生活のあり方を見直す必要があります。

解消というのはあくまで対症療法的な考えに過ぎませんから、根本的な解決策にはなりません。芽があればまた生えてきますから、持続的な解決を目指すのであればストレスの根源を断ち切ることが重要です。

これは心の病を防ぐことにも繋がりますが、ダイエットになると尚更です。

一般的に、ストレス解消の手段を「飲食」に頼る傾向が強いかと思います。これは誰もが経験的にわかっていることなので説明不要でしょう。体重は「消費カロリーと摂取カロリーのバランス」で決まりますが、“心身共に健康な状態では”、あまり意識しなくても両者のバランスはきちんと取れるというのが私の考えです。

体は正直ですから、細かいカロリー計算などしなくても、減った分だけ入るようにできています。すなわち、消費した分だけ摂取するようにできているということ。極端な体重の増減は、本来は起こりません。

ところが、そうはいかないのが現代です。仕事や家庭、人間関係、SNSなどを通じて、私たちは多くのストレスを受けます。これは「意識・無意識」を問いません。自覚がなくてもストレスを抱えているケースはあるからです。

ストレスを感じた状態になると「消費と摂取」のバランスシステムは崩壊します。先ほど”心身共に健康な状態では”と書いたのはそのためです。消費と摂取、どちらかが増えるまたは減る傾向にあります。

現実問題、ストレスを受けた状態で消費が増える、すなわち運動量が増えるということはあまりないはずです。仕事で嫌なことがあったのに、これからジムで汗をかこう、またはチキンサラダを食べようという気にはならないでしょうから。どちらかと言えば、早く帰ってカロリーの高い食事を楽しみながら缶ビールを飲むほうが正常(?)かと思います。中には食欲が落ちて痩せる人もいますが、世の中的にダイエットする人が多いことから、太っていく人のほうがはるかに多いと思います。

このように、ダイエットというのは、体型管理というよりも「ストレス管理」という側面のほうが大きいのです。

ダイエットで話題になるのは「一日何食食べたほうがいい?」「夜はお米を食べないほうがいい?」「運動は朝と夜どっちがいい?」「筋トレと有酸素運動はどっちがいい?」「ストレッチはしたほうがいい?」「ヨガとピラティスはどっちが痩せるの?」という内容かと思います。

私の考えとしては、正直どちらでもいい。というのも、それらは「枝葉」に過ぎませんので、ダイエットという点においては、なにを選ぼうとさほど重要ではありません。ご自身が好きな、あるいは実践しやすい方法がおこなうのがベストです。固定的な考えに縛られますとそれこそストレスになりますので、柔軟な考え方は必要です。

話を戻します。このように「ストレス解消」という考え方に縛られていると、ダイエットを進めていくことは難しくなります。無理とは言いませんが、限りなくハードモードです。特に期間を決めておこなうようなダイエットでは、ダイエット期間が終わればリバウンドする可能性も高くなります。これもダイエットが体だけの問題ではないから。その根元にあるストレスや孤独感に対処しなければなりません。

ストレスを解消するのではなく「ストレスを溜めない」を心掛けるようにすることです。そのほうが労力も少ないですし、コストパフォーマンスも良くなります。

私の場合、行動面では「没頭できる趣味を持つ」「交友関係を絞る(無駄に広げない)」「家族やパートナーとの良好な関係を保つ」「満員電車や混雑する場所にはいかない」「テレビやSNSで(自分にとって)ネガティブなものを見ない」などです。思考面においては「変えられないもの(政治や経済、環境など)に不満を言わない」「変えられるのは自分の行動のみ」「好きなことだけやる」「人にどう思われるかより自分がどうあるべきかを大切にする」などです。

あくまで一例ですが、こんな感じのものがいくつかあります。当然このあたりは人によって異なりますので絶対的な回答はありません。イメージが湧かない場合は、自己啓発書などで自分に合った考え方を取り入れることをおすすめします。

まったくストレスがないか?と言われれば、私も人間ですから日常的にイラッとする瞬間はあります。ですが、生活に支障をきたすような慢性的なストレスというのはありません。そうした工夫をしているからです。ただ、ストレスを避け続けていると「打たれ弱くなる」というデメリットはありますが、それでもストレスを溜めないことの恩恵のほうが大きいと感じています。

痩せるか痩せないかは自分自身の行動によって決まることですので断言できかねますが、このように生活面や精神面が整うことでダイエットは限りなくイージーモードになります。ダイエットで頭を悩ませることは少なくなるでしょう。ストレスがない場合「なんか美味しいもの食べたいけど、今日はこっち(健康的なもの)を食べよう」「ちょっと気分が良いし、今日は運動しよう」というように心に余裕が生まれます。ダイエットにコントロールされるのではなく、ダイエットをコントロールする側に回ることができるのです。

楽しそうにダイエットする人と、苦しそうにダイエットする人の決定的な違いはそこだと感じています。不安定な状態ではいい結果は生まれません。ダイエットをはじめる前に、まずは基礎をしっかり整えてあげることです。

これらはあくまでダイエットに視点を当てた考え方なので、運動には筋肉が強くなる、姿勢が綺麗になる、体力がつく、血圧が下がる、記憶力が上がるなど、数えきれないほどの恩恵があります。ダイエットのことばかり意識しすぎると視野が狭くなり、それこそ人生の質が下がりますので、そこだけは注意してください。

ストレスを制する者は、ダイエットを制する。

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