DRIVING and WALKING |美脚理論

昨日、車検に行った時のことです。

担当の方に「すごいです。ブレーキ踏まないんですか?」と聞かれました。

2年ほど乗っていますが、ブレーキパッドの状態が新車とまったく同じだというのです。1mmも減っていないと。特に心当たりはなかったのですが、改めて思い返すと「車間距離を保つこと」を強く意識しています。もちろん安全運転のためですが、それが結果的には、ブレーキを踏む回数が減ったことにつながったのだと思います。

運転をしていると、車間距離が狭いドライバーが多いなと常々感じています。一般道はもちろん、高速道路もそうです。時速100km/hで走行する場合、最低でも100mの車間距離が必要ですが、10mくらいしか空いていないのでは?というケースをよく目にします。すると、ブレーキを踏む回数もそうですが、それだけ強く踏まなければならないのでさらにブレーキパッドは摩耗しますよね。

なぜ車の話をするのかと言いますと、美脚作りと同じだと感じたからです。大まかに、美脚作りには次の二つの要素が必要です。

  • 正しい姿勢をつくること
  • 無駄にブレーキを使わないこと

正しい姿勢をつくることで、効率の良い歩き方ができるからです。効率の良い歩き方とは、アクセルとブレーキの比率が適切に分配されていること。

例えば、大股で歩いたり、急ぎ足で歩いたり、体を丸めて歩いてみてください。前ももの筋肉(大腿四頭筋)が疲れるはずです。これは前ももの筋肉はブレーキとしての役割が大きいからです。雑な歩き方であったり、悪い姿勢のまま歩くと、重力に対して体を受け止めるためにブレーキが強く働く必要があります。

逆に、もも裏の筋肉(ハムストリングス)はアクセルとして働く特徴がありますが、理想はこの作用をできるだけ生かしてあげることです。つまり、適切にアクセルを踏み、ブレーキ要素をできるだけ減らすこと

車で例えると、車間距離をきちんと空けることで効率の良い運転ができるようになり、無駄にブレーキを踏まなくてよいということです。

姿勢や歩き方が悪いことで、前ももの筋肉、すなわちブレーキを過剰に使っている人が多いのです。「前ももが張ってる」と悩む女性が多いのはそのためです。もちろんO脚やX脚にもつながります。

前ももでブレーキをかけるというのは、専門的に言えば、大腿四頭筋に伸張性収縮(エキセントリック収縮)がかかるということです。伸張性収縮は、その逆の短縮性収縮よりも筋肉への負荷が大きいので、それだけ「太くなりやすい」ということ。筋トレで「ゆっくり下ろしましょう」と言われるはそのためです。ゆっくり下ろしたほうが筋肉の発達が促されるからです。太い脚を作りたい男性は別として、細い脚でいたい女性は避けたいですよね。なので、前もものブレーキ要素は必要最低限にしたほうが良いのです。

ピラティスでは常に正しい姿勢(ニュートラル)を意識しながらエクササイズをおこないますので、自然と歩き方も綺麗になります。歩き方が綺麗になることで筋肉への負担も減る。そして、それが美脚へと繋がっていきます。

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