Barometer|変化に気付く時

気付いたら太っていた
いつの間にか体重が増えていた
昔着ていた服が着れなくなっていた
久しぶりに運動したら体力が落ちていた

よくある話ではありますが、今日はこの問題を解決していきましょう。まず初めにお伝えしておくと、太ることも、服が着れなくなることも、体力が落ちることも、それが問題ではないということです。

では、なにが問題なのか。「それに気付かなかったこと」です。人間ですから、食べ過ぎることもあれば、動きたくない時だってあります。年齢を重ねれば体力が落ちていくのも自然なことです。けれど、それと「気付かないこと」はまた別の問題です。

では、なぜ気付かないのでしょうか。原因は一つではありませんが、大きなものとしては「気付くための指標がないこと」です。毎日体重計に乗ったり、メジャーでウエストを測定する、という人は変化に気付くかと思いますが、そういう習慣がある人は多くはありません。それに加えて「デジタル化」「自動化」が進む社会ですから、カラダを動かす機会も減っています。すると”機械”が代わりに動いてくれるので、自分の肉体を使う機会が減り、体力の変化にも気付きにくいのです。

そこで解決策になるのが「バロメーター(指標)を設けること」です。

バロメーター?なにそれ?という感じですが、難しく考える必要はありません。要するに「自分なりの指標をつくろう」ということです。僕の例で恐縮ですが、できるだけジャストサイズの服を着る、駅の階段を使う、毎年富士山に登る、などがあります。それぞれ簡単に説明します。

服については、できるだけ「体の線」が見える服を着るようにしています。そうすることで体型の変化に気付きやすいからです。なんかウエストがキツいな、太ももの部分がパツパツだな、など。近年はオーバーサイズの服や、ゆったり着る服が流行っていますので、体型の変化に気付きにくい時代だと思っています。もちろんファッションの好みは人それぞれなので、それを咎めるつもりは毛頭ありません。そこで、例えば、普段着は自由にして、ピラティスをする時だけはジャストサイズのウェアを着る、という感じにするといいかもしれません。

駅の階段は、日常生活の中に組み込みやすい指標です。日々利用していれば体力がつくことはもちろんですが、体力の変化に気付くというバロメーターとしての意味合いも持ちます。逆に、エスカレーターやエレベーターしか利用しないという人は、恐らく体力の変化には気付きません。機械が代わりに動いているので、体力が落ちていてもそれに気付かないのです。なので、たまに階段を使うと「体力が落ちた」「すぐに息が切れる」ということになるのです。

あとは、毎年富士山に登っています。これも「昨年と比べて体力にどう変化があったのか」を知るためでもあります。駅の階段と比べると、よりスケールの大きな考え方になりますが、年齢による体力の低下に気付くための大切なバロメーターになっています。

ここに述べたものはあくまで僕自身の例ですので、みなさんはそれぞれのバロメーターを設けてください。電車ではなく自転車通勤にする、半年に1回は高尾山に登る、近所のハーフマラソンに毎年参加するなど、そういうのでもいいですね。ただ、その内容がストレスに感じるようでは設定としては”NG”なので、もっとワクワクするようなものを見つけるようにしてください。

年齢を重ねても若々しい人は、運動習慣があったり、美意識が高いこともそうですが、それ以上に『変化に敏感なこと』です。その変化を知るキッカケとなるのが、今回のようなバロメーターなのです。日々の変化というのは、量こそ小さいものの、それが積み重なると大きな差となります。

運動は主に「健康維持」「体力や筋力の向上」「スリムなボディをつくる」という目的のもとでおこわれますが、このように『バロメーター』としての役割もあるということを知っていただければと思います。僕はむしろこっちのほうが大切だと考えています。というのも、冒頭で述べたように、太ったことや体力が落ちたという事実よりも「それに気付かなかったこと」のほうが深刻な問題に発展するからです。

最後に、これは大切なことですが、そのバロメーターに対して『このままじゃダメだ』『去年はできたのに今年はできない』とあまり悲観的にならないことです。あくまでも変化を知るための指標であり、一喜一憂するためのものではありません。『知る』『気付く』ということが何よりも大切なのです。

運動を始めたら、できないことの数よりも「できるようになったことの数」に目を向けてみよう。

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