Adaptation|暑さに適応する生き方

運動する意義や目的は人それぞれですが、その一つが「あらゆる困難に適応していくこと」だと考えています。

今の季節の困難といえば「暑さ」です。外出を控えるようなニュースが入ってきますが、僕は「暑い時こそ外に出る」ようにしています。あくまで個人的な考えなので、参考にするかどうかは自己責任でお願いします。

人間は環境に適応していく生物です。暑さも例外ではありません。少しずつ暑さに体を慣らしていくことで、いわゆる猛暑日でも問題なく過ごすことができます。

「明日は今年一番の猛暑日になります」というニュースを見るたびに、うわぁ…という気持ちになるのが通常の反応だと思いますが、僕は「年に一度しか体験できない暑さなんて貴重だ。ランニングにいかないと!」となります。裏を返せば、それだけ過酷な環境の中で運動できるわけですから、成長するには絶好のチャンスなのです。

この「成長」というのがキーワードですが、僕は日頃からそうした視点を持っています。駅の階段にしても、ほとんどの人がエスカレーターを使いますが、僕の脳内では「わ!こんなに長い階段がある!これでまた体力がつく!」と変換されるわけです。

こういうお話をすると必ず「ストイックですね」という一言で片付けられてしまうのですが、そうではありません。僕の中のストイックの定義は「やりたくないことをやり続けること」というネガティヴな感情を伴うものなので、この定義からは外れます。暑さにしても、駅の階段にしても「楽しそうだからやる」「興味があるからやる」「自分の成長に関心があるからやる」というポジティブな感情が根底にあります。決してストイックではない、ということだけは明確にしておきます。

運動指導者を運動指導者たらしめていることの一つが「人体実験」が好きなことだと考えています。自分の体を使って仮説と検証を繰り返すことに強い関心があるということです。僕の場合は、それが医学や科学で証明されているかどうかは別として、あくまで「自分の中での発見」に繋がることが重要なのです。そうした実験で得られた結果というのは、他の分野での応用につながりますし、人生の教訓にもなります。なにより、他人の受け売りではない「オリジナリティ」があって僕は好きです。人と違うことをしてみないと「新たな発見」は生まれてきません。

こんな暑い中、笑顔でランニングをしていると「頭のネジが何本か外れてる人」と思われますが、部屋に戻るとキンキンにエアコンは効いています。そんなに温度差のある環境で過ごしていると身体に悪いというのが通常の考えですが、僕の脳内では「このくらいの温度変化に対応できない身体ってどうなの?」「むしろオンオフの切り替えのトレーニング」と考えています。

仕事柄、エアコンが効いたむしろ寒いくらいの室内にいることが多いので、ランニングをする時は「凍った氷が少しずつ溶けていく」ようなイメージでいます。コンビニに売っている凍ったジュースが少しずつ溶けいき、ちょうど飲み頃になるようなイメージです。恐らく理解されませんね。気温が37度以上になると「暑い」と感じ、34度くらいだと「ぬるま湯」、30度前後だと涼しくて快適、という感じです。折々の暑さを楽しんでいます。

ただ、マインドセットはなんでもいいのですが、不思議なもので、そういうポジティブな気持ちでいると「暑さが苦にならない」のです。もちろん体温より暑いわけですから、暑くないわけがないのですが、その暑さを苦に思わなくなるのです。「あぁいい天気だなぁ!」という気持ちでいるのと、「暑いから早く帰りたい」という気持ちでいるのとでは、暑さの感じ方がまったく異なるということです。

スタジオに行ったらとんでもない修行をさせられるのでは… というイメージを抱いてしまうかもしれませんが、こういうことは他人に強制することではありません。あくまで僕個人の話です。スタジオは涼しく快適な環境を保っていますのでご安心ください。

新しい発見は、他人と違う行動から生まれる。

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