自宅とスタジオを、毎日自転車で10kmくらい往復する生活を数年続けています。
ただの移動なので「運動」と見做していなかったのですが、冷静に考えると、これほど良い運動はないと思っています。
年間で3,650km移動している計算になり、直線距離で考えると、ちょうどベトナムの首都ハノイまで行けるようです。
それはいいとして、重要なのは運動ならではの「良い副作用」があるということ。
好きなものを食べても太らないとか、疲れにくくなるとか、風邪を引きにくくなるとか、もちろんそうした効果もありますが、それだけではありません。
最近読んだ「運動脳」という本によると、「脳細胞が増える」とのことです。
運動によって全身の血流が良くなり、それに伴って脳が活性化されるというのは、一般的に言われていることです。例えば、ランニングの後に、嫌いな人の顔を思い浮かべたり、嫌な出来事を思い出したりする人はいません。それどころか、清々しい気分になっていることは、多くの人が体験していることだと思います。
運動には、そうしたリフレッシュ効果があるということは前々から身をもって理解していました。
けれど、「脳細胞が増える」となると冷静ではいられない自分がいます。誰だって「頭が良くなりたい」という願望はあるでしょうし、頭が良くなれば、それこそ夢が広がるというものです。
確かに言われてみれば心当たりがあります。数年前からランニングをはじめ、それ以来、記憶力は良くなっている気がします。要領も良くなり、短い時間で作業を済ませられるようになりました。
なぜ今まで気付かなかったのか。スクワットの重量が上がったとか、ランニングのタイムが縮まったとか、「数値」として分かりやすい指標があれば気付いたのでしょうが、それがないために気付かなかったのでしょう。
書籍の中では、有酸素運動が効果的だと書かれています(筋トレはまだ充分なエビデンスがないようです)。大それたものではなく、20 ~ 30分程度の軽いランニングでOKとのこと。それがダメなら数分でも効果はあるし、少し歩くだけでも大丈夫とのことです。とにかく「動くこと」が大切だと強調されています。
一例として、体育の授業を取り入れたクラスと、そうでないクラスの生徒では、取り入れたクラスの生徒のほうが成績で高いスコアが出たという調査結果が出ています。その他、動物実験を含め、多数の研究報告において有酸素運動の有効性が認められています。
年齢を問わず、長期的に続ければ続けるほど、脳が構造的に変化し、それに伴い集中力や認知能力、記憶力が向上するそうです。
僕が自転車を主な移動手段としている理由は、「気分がスッキリする」「自転車が好き」「渋滞が嫌い」「体を動かさないと気持ち悪い」など様々ですが、「脳細胞が増える」というのはノーマークでした。
いずれにしても、そうした日常の些細な積み重ねが大切だと改めて感じました。なんでも「自動化」が進む世の中だからこそ、脳を衰えさせない自分なりの工夫が必要ですね。
僕は脳の専門家でありませんが、ピラティス指導者として「脳と体の繋がり」は切っても切れない関係なので、表面的な知識だけではなく、深掘りしてみる価値は充分にありそうです。